年金分割における按分とは?協議や調停で決める方法

按分割合の決め方とは?

物品や金銭などを基準となる数量に比例して割り振ることを按分(あんぶん)と言います。

年金分割における按分は、当事者双方の対象期間標準報酬総額の合計額に対する、分割後において分割を受ける側の持分を表したもので、夫婦各々の厚生年金や共済年金の標準報酬総額を、多い方から少ない方に移すことで、将来受け取れる年金を分割できる仕組みとなっています。

この按分の割合は、夫婦の話し合いで決めることができますが、いくらでも自由にして良いものではなく、範囲が設けられています。
上限は50%とされており、これを超えてしまうと分割される方の標準報酬総額が、分割を受ける方の標準報酬総額を下回るという逆転の結果になってしまうからです。
また下限は、標準報酬総額の少ない方が元々の持ち分を下回らないようにしなければなりません。

もし夫婦で協議しても合意できなければ、家庭裁判所に按分割合を定める審判又は調停の申立てをすることができます。
ただし、家庭裁判所はほとんどの事例で按分割合を上限の50%と定めます。

これは、財産分与の場合における財産形成の寄与度によって割合に変化が生じるものとは違い、年金の分割制度は社会保障を目的としているため、よほどの事情がない限り、夫婦平等に分割するものと判断されているからです。
したがって、離婚に際してどちらか一方に有責性があるとしても、按分割合に影響を与えることはありません。

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