慰謝料の金額や支払い方法についての話し合いはなるべく離婚前にしたほうが良いです。離婚が成立した後では相手が話し合いに応じてくれなかったり、金額を値切られるおそれがあります。
また、確実に慰謝料を受け取るには一括払いにするべきです。やむをえず分割の支払いになる場合は、初回の支払い額をなるべく多く設定し、毎月の支払い金額、支払い期日、遅延利息などをきちんと離婚協議書へ記載しておきましょう。
また離婚協議書に基づき、慰謝料の支払いを記載した公正証書を作成しておくことをお勧めします。「約束どおり支払わなければ、強制執行を受ける」旨を記載した強制執行認諾文付きの公正証書にしておくと、支払いの約束が守られない場合、ただちに強制執行することができます。
約束通り慰謝料の支払いがされない場合は、まずは電話、手紙などで協議、催促をしましょう。それでも応じない場合は、内容証明郵便で支払いを催促します。
話し合いがまとまらない場合や相手が話し合いに応じない場合には、家庭裁判所へ慰謝料請求の調停を申し立てたほうが良いでしょう。
調停でも合意に至らなかった場合には、地方裁判所へ訴訟を起こすことになります。なお、家庭裁判所でも、離婚請求訴訟と併せて、慰謝料請求訴訟を審理できます。
しかし、たとえ家庭裁判所の調停・審判で決定しても支払いが滞ることがあります。
そのような場合は、家庭裁判所に対して履行勧告の申し出をすることによって、相手方への勧告や説得を行ってもらえます。ただし、履行勧告に強制力や制裁はありません。
履行勧告に対しても支払いに応じない場合は、家庭裁判所へ履行命令を申し立て、一定の期限内に義務を実行するよう命じてもらいます。この命令に正当な理由もなく従わなければ、10万円以下の過料に処せられます。